聖徳太子の投げ石 その2
(その1)でみました東南の投げ石(矢田部牓示石)、東出の投げ石(太田牓示石)とともに、鵤荘牓示石(いかるがのしょうぼうじいし)として兵庫県指定文化財で、特に平方の投げ石(平方の牓示石)は、牓示石といえばこれ、というくらい有名な石です。
しかし、今回紹介するこの二つの石は、荘園の真ん中にあり、また、荘園内部の地域区分の境界にもあたらないようです。そうすると、「牓示石」とはいえないのでは? では、いったいどういう石なの?
はっきりしたことはわかりませんが、いずれも、「お太子さんが投げた石」として、これまで動かされることなく、大切に守られてきた石で、特に平方の石は、明らかに何らかの意図を持って、田んぼの畦に置かれています。「牓示石」という言葉は当てはまらないかもしれませんが、お太子さんの荘園・法隆寺領鵤荘の大切な歴史遺産・文化財として、たいへん貴重なものです。

鵤北山根の投げ石(福田牓示石)
兵庫県指定文化財

平方の投げ石(平方の牓示石)
兵庫県指定文化財

鵤北山根の投げ石は、坊主山と城山団地の間にあります。坊主山墓地の手前の細い道を、たつの市の福田の方へ少し行き、城山団地が不自然にへこんだところです。田んぼの中にありますので、見学の際はご配慮ください。

平方の投げ石は、太子町総合公園(陸上競技場)北西の信号を西に行った、道の真ん中にあります。ご見学の際は、車に充分ご注意ください。