とんど 小正月の火祭り

 正月14日の晩や翌15日(小正月)の朝、とんど・左義長(さぎちょう)・法成就(ほうじょうじゅ)などといって、各地で火祭りが行わていました。
 むらごとに、田んぼや神社の境内、川原などに、竹や木を組んで尖った山の形にし、上に笹竹を立て、中には正月の飾りや藁、雑木などを詰めて、藁で作ったはかま(前垂れ)を巻きつけてとんどを作ります。その形や大きさは地区によって違いますが、大きいものは高さ7、8mを越えます。以前は子供たちの行事でしたので、子供の大将(一番年長の数え15歳の男子たち)が取り仕切って、正月があけると、子供たちが集まって竹や雑木を伐り、家々を廻って注連縄や松飾りを集めて準備をしていましたが、今は小学生の子供たちの父母や村の老人会の人たちが集まって作る所が多いようです。
 さらに、むらによってさまざまな飾りをつけます。その年の明き方へ向けて弓矢をつける、鼓を作り12のお供えをする、餅花や五色の紙テープを飾る、五色の色紙で飾った竹ひごをさす、青い杉の葉を飾る、などなど。このような飾りは浜手の平野部で華やかですが、揖保川を西に越えると少なくなり、竹や木を束ねるだけになります。
 そして、14日の晩や翌15日(小正月・成人の日)の朝、子供たちが集まって火をつけましたが、とんどの火にあたると風邪を引かない、病気をしないといってみんなで火にあたり、そして正月の餅を焼いて、その場で食べたり、小正月の朝の小豆粥やぜんざいに入れました。また、正月の書き初めを火に入れ、高く舞い上がると書が上手になるといいました。
 このとんど、法隆寺に残る『鵤御庄当時日記』という資料から、室町時代の1490年ころすでに、太子町あたりで正月15日の行事として行われていたことがわかります。今は成人の日が1月の第2月曜日になったため、トンドを焼く日もむらによってバラバラになってしまいましたが、このとんどでお正月様がお帰りになり、正月も終わるといいます。この日はあちらこちらでとんどの赤い火に照らされて煙が上がり、藁の燃える匂いと竹のはじける音が、正月の終わりを告げます。

(註) お正月様は正月の神さま。一般に、家のご先祖様と考えられている。

吉福のとんど

吉福のとんど(2009.1.)

燃え上がる馬場のとんど

燃え上がる馬場のとんど(2009.1.)